今ではなくなってしまった昔の子供達の遊ぶ田舎風景です。今では、外で遊ばず、家でケータイか、パソコンの日々の現代っ子では考えられない風景ですね

今から60～70年くらい前の山村でしょうか。ニッカにネオパンSSを詰めて撮影し、バライタ紙に焼き付ける。学生の頃に長巻きのネオパンを買ってスナップ撮影し、暗室に籠もっていた身としては、焼き付け具合と撮影データを見て思わずクラッとしました。といって、とても古い写真だからの受賞ではなく、今の目で見ても、アングル、フレーミングもシャッターチャンスもしっかりとらえた素晴らしい作品と思います。
木箱の中で遊んでいるこどもたちの実に活き活きとした姿をとらえ、奥で水仕事をしている母親でしょうか、その女性も効いています。木箱のこちらは親からは見えないこどもたちの世界ですね。
古くなって古びていく物とより深みが出てくる物がありますが、ノスタルジックだけでない心の原風景としてのこどもの情景が幸福な時間を思い起こさせてくれる作品です。